鍼灸整骨院コンサルティングとEC事業を中心に年間売上10億円を目指す、株式会社ライフエスコートのHP!

【EC運用実録ファイル】

         

【LE通信52号】消費者が「買う」にはわけがある!

あなたが買い物に出かけて商品を選ぶ時、何を考えながら商品を手に取りますか?
色?デザイン?価格?それとも流行っているかどうか?
街にもインターネットにも沢山の商品が溢れ、いつでも誰でも買い物ができます。
それでは私達はなぜ商品を買うのでしょうか?



私達は「着て」いるのではなく「発信して」いる。

私達の生活に身近な「ファッション」を例にとりましょう。
私達人類が衣服を着るという行為は、かつての地球上の苛酷な自然環境の中で、単にむき出しの体を守るところから始まり、文明が発展していく中で、徐々に別の意味合いを持って変化してきました。



—–ファッションとは  (ウィキペディアより引用)
一般に人は地理条件、性別、年齢、社会階層、職業、思想や嗜好等を反映した服装を着用するが、それと同時に文化的に影響力のあるステータスを持つ人々が何か新しい、もしくはそれまでと違った衣服を着用し、他の人々がそれに追随しはじめた時、ファッションの流行は始まる。—–



そう、現代において人はファッションを、単に体を保護するだけでなく、周囲に対して自らの情報や意思を表現し、発信する手段ととらえているのです。
自ら装うことで本来の自分以上の力も引き出せるかもしれません。
それでは、自分がもし何も装わなかったら?



「ありのままの自分」のお値段

LE通信52号_clip_image002
人間は、現在確認されている地球上の万物を構成する元素118種類のうち、およそ34種類からできています。
人体は65%の酸素、18%の炭素、10%の水素、残りは微量元素と呼ばれる極めてわずかな量の様々な生体金属元素(ミネラル)から構成されています。
これらをそれぞれの比率に合わせ、その元素でできている水や実験用薬品、果てはバーベキュー用炭などに置き換えて換算すると、合計でほぼ13,000円。(体重60㎏で換算) 。

したがって、ありのままの自分=ヒトの原価は13,000円です。

個人の体格差は多少あるにしても「ありのままの自分」は誰も皆ほぼ同じお値段です。
しかも、生きていても死んでいても元素の量に変わりはありません。

これがひとつの商品なら、新たに何らかの価値を与え原価以上の値段で売って利益を出そうとします。
このように、企業が人や物やお金を使って商品に与える価値のことを付加価値と言います。

ファッションも人を動かす力があるという意味で人にとっての付加価値のひとつであり、
私達がものを買うという行動は、商品自体に限らずその付加価値についても、
自分に必要と判断することです。
時には一瞬で、時には長い時間をかけて判断し、必要ならば買うのです。
ファッションに限らず消費者が商品に何らかの価値を見出せなければ、企業は存続できません。
ところが、今の時代はかつてないほどに、消費者に商品を手に取ってもらうことそのものが大変難しい時代となってきています。



嫌消費時代を経て

2009年に出版された、『経済を揺るがす「欲しがらない」若者たち 「嫌消費」世代の研究 松田久一 著』 では、1980年近辺生まれの当時20~29歳の若者たちを例にとり、本来、消費の牽引力となるはずの世代の若者たちが収入に見合った支出をしていないこと嫌消費と名付け、嫌消費世代の登場を世に知らしめました。



—–  (上記著書より引用)
「クルマ買うなんてバカじゃないの?」「大型テレビなんていらない。ケータイのワンセグで十分」「日本語が通じない海外旅行なんて楽しめない」 3~4年前に、こんな発言を初めて聞いたときは耳を疑った。(中略)消費意欲の減退に伴う消費支出の減少は、次第に衣食住の領域へと広がりをみせはじめている。—–



LE通信52号_clip_image004

現在、景気好転、賃金上昇との政府の前向きな発表とは裏腹に、日本全体の消費は思うほど伸びていません。
少子高齢化による社会保障の不安、非正規雇用で働く層や年収200万を下回る低所得層の増大など、将来に見通しが利かず想定される不安要素にきりがないことが原因であれば、「買いたいものがあっても今はじっと我慢」という消費者心理は妥当とも言えます。

しかし、この嫌消費世代の若者たちは決して欲しいものを無理に我慢しているのではなく、たとえ収入があっても「買いたい」という意欲すらないことになります。
「買えないから買わない」
のではなく「買えるけど要らない」のです。
そして、かつてはその商品自体が「夢」であり、同世代の人々がこぞって購入を目指すべきだった商品(自動車、大型家電、住宅等)は、今、彼らには見向きもされません。



更に「ものを多く持つこと自体がムダ」という考え方も出てきました。

ここ数年断捨離(だんしゃり)という言葉をよく耳にします。



—–断捨離とは  (ウィキペディアより引用)
基本的にはヨーガの行法、「断行(だんぎょう)」、「捨行(しゃぎょう)」、「離行(りぎょう)」という考え方を応用して、人生や日常生活に不要なモノを断つ、また捨てることで、モノへの執着から解放され、身軽で快適な人生を手に入れようという考え方、生き方、処世術である。—–



やましたひでこさんによって発表され話題となり著書は250万部を突破したと言われます。
また、片づけコンサルタント・近藤麻理恵さんの提唱する「自分がときめくかどうか」で、捨てるものと残すものを分ける整理整頓術も今や日本国内だけでなく海外へも発信されています。
いずれも、ものに対する執着からいったん離れることで、自らの人生や生活を改めて見つめ直すという考え方です。
消費者は「もったいないから」と捨てるに捨てられず、溢れる不用品の保管に時間とお金と労力をかけるくらいなら、そのストレスから解放されたいのです。
それでは、消費者はもう何も買わないのでしょうか?いいえ、そんなことはありません。

人間は一度味わった幸福を繰り返す

買う理由がなんであれ、人は必ず買い物をします。
そこには消費者に買わせるための様々な企業努力があります。
特に、同じ顧客に一度ならず何度も買い物をしてもらおうと思うなら、「いつもの店」という認識を持ってもらわなければなりません。
人がいつもの店に通うのは、現状維持バイアスという、
現状の変化を避ける心理が働く傾向にあるからです。

ここでは単に商品や価格が魅力的ということだけでなく、初めて来店し買い物を終えて店を出る時「来てよかった」という記憶を顧客に強く残すことが重要なカギとなります。
心理学者ダニエル・カーネマンのピーク・エンドの法則によれば、
自分の過去の記憶は「ほとんどその完全なピーク(絶頂)期に、嬉しかったか悲しかったか、そしてそれがどう終わったかだけで判断する。」のですから、
「あの時の買い物は本当に良かった」という記憶を強く残すことができれば、顧客はあえて冒険して違う店で失敗するよりは、いつもの店に行きたいと思うのです。

また、人間は一度味わった幸福感に慣れてしまう性質があります。
これをヘドニック・トレッドミル現象と呼びます。
欲しかったものを手に入れた時、しばらくはその幸福感が続くもののそれは永遠ではなく、
また新しいものが欲しくなります。
先に述べた「断舎利」に相反するようですが、ものを処分して新しくできた空間も、
慣れればまたものを詰め込みたくなるのも人間の心理です。
記憶が強く「心に残る」心理と、幸福感が薄れ「忘れる」心理に基づいて行動が繰り返され、
消費者が新たな商品を手に取る機会を生むのです。



買うことに迷わない消費者を作ろう

人は誰かから何かをしてもらった時、お返しをしたいという感情を抱きます。
これを返報性の原理と言います。
通常、顧客全体の20%の常連客が店舗の売上の80%を支えていると言われていますが、
それはこうした原理から成り立っていると言えます。
こうしてみると、商品をありのままの価値で終わらせない「付加価値」とは、
単に商品そのもののよしあしだけでなく、販売スタッフの対応や催事内容、商品陳列や雰囲気、照明の明るさに至るまで、顧客満足を100%以上にするためのシチュエーション全てであることにお気づきでしょうか?

消費者の「買う」という行動は景気や世代的な風潮に左右される面もありますが、
その人にとって「いつもの店」になるのか、単なる「一見さん」で終わるのか、
は景気とは別のところにあるのです。
消費者が「買う」にはわけがあります。
買うことの必要性を裏付ける付加価値を提供し、買うことを迷わない消費者を作り出していくことが、
企業の存続には欠かせないのです。



弊社にはお客様対応の専門知識を持ったスタッフがおり、
常時、お客様からのお問い合わせにお応えしております。
ご興味を持たれた方は是非下記までご連絡ください。



参考文献
『元素生活』寄藤文平著 化学同人/『経済を揺るがす「欲しがらない」若者たち「嫌消費」世代の研究』松田久一著 東洋経済新報社/『なぜ人は「売れ筋商品」を買ってしまうのか』おもしろ心理学会編 青春出版社/
文中グラフ『嫌消費をのりきるために』 株式会社日本マーケティング研究所 http://www.jmr-g.co.jp/proposal/206.html より/



☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

株式会社 ライフエスコート
東京港区芝1-14-11 芝明月ビル6F

TEL:03-5765-6960
FAX:03-3452-0966
Email:info@life-escort.co.jp

平日 9:30~18:30
ホームページ:https://www.life-escort.co.jp

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


この記事を読んだ人はこちらの記事もおススメです

Share on Facebook0Tweet about this on TwitterShare on Google+0Share on LinkedIn0

コメントは受け付けていません。