このレポートは、海外で現在行われている販促キャンペーンを現地レポーターが実際に参加し、どのようなキャンペーンの流れ、どのような反響を呼んでいるのか等をまとめたものです。日本にいながら、日本では入手できない現地のリアルタイムキャンペーン情報が入手できます。ご興味のある方は、プッシュ通知で購読をお願い致します。

1.PaysanBretonとキャンペーンの概要

【企業名】paysan breton (フランス乳製品メーカー)
創業50周年を迎える人気乳製品メーカー。近年は、菓子類なども製造しており子どもから大人まで広く知られている。一部商品は日本への輸出も行なっている。

キャンペーン名	1brunch à NewYork
期間	2019/8/31-2019/12/31
対象	対象商品購入者
目的	販売促進
内容	対象商品1点購入につき1回応募可能(ただし1名3回までという応募制限有)。paysan bretonオフィシャルウェブサイトへアクセス、アカウント作成の上でゲームに挑戦！その場で、paysan breton商品が詰まった豪華ブランチボックス(100名分)、総額20,000 ユーロ分のクーポン券が当たる。対象期間終了後、全応募者の中から抽選で1名様にニューヨーク旅行をプレゼント。 【対象URL】www.paysanbreton.fr

2. シンプルな告知

応募対象商品にキャンペーンを告知する黄色いステッカーが貼付されています。

人気旅行先の名に惹かれ、よく見てみると「他にもプレゼントを用意しているので詳しくはウェブサイトへ」と誘導する小さな文字。

ニューヨークのシンボルである自由の女神がアクセントの小さく丸いステッカーは、paysan bretonオリジナル図柄(チェック柄)の邪魔をせず、キャンペーン内容がシンプルに伝わるようにデザインされている印象を受けました。

3. オフィシャルウェブサイトへアクセスしよう！

まずは参加条件として必要な、本人アカウントの作成を行います。

アカウント作成といっても、「名のみ(苗字の入力は不要)」と「メールアドレス」の二項目を入力するだけですので、個人情報を入力する手間もありませんし、面倒や負担に感じることは一切ありませんでした。

4. paysan bretonのイメージアップ、販売促進を狙おう！

前述のアカウント作成に及ぶ過程で、ウェブサイト上の各項目に目を通す流れが発生します。

ウェブサイトは、paysan bretonカラーである赤色がアクセントになっており、情報量も豊富で見応えのある仕上がりになっていました。

4-1.生産者を紹介

ウェブサイトを開くとまず目に飛び込んでくるのは、広大な牧場の風景です。ページを開くと、提携生産者の名前やコメント、更には動画にて搾乳の様子なども見ることが出来ます。居住地の郵便番号を入力すると最寄りの生産者の情報が表示されます。フランス国内の選ばれた酪農家により大切に育てられた乳牛から絞ったミルクを使っていることがよく伝わります。購入する物はフランス国産であることにこだわりを持つ消費者は多くいますので、安心安全をアピール。中でも酪農家の顔写真、作業風景の掲載は、消費者へ安心を与えると同時に、企業への信頼感を強めると思いました。

4-2.自社商品を利用したレシピを紹介

トップページには、旬の食材を利用した「季節のお料理」写真が載っています。主婦であれば毎日の献立のアイディアに各種レシピを参照することが多々あると思います。加えて、フランスでは親戚、知人友人を、様々なシチュエーションで自宅に招きもてなす場面がよく見られます。そのため新しいレシピは日常生活の中で常に必要とされる情報です。ページを進めると「メイン料理」から「デザート」、他にも「子ども向けメニュー」など多彩なレシピが紹介されており、もちろん各レシピの中にはpaysan breton商品が使われています。

4-3.商品クーポンのダウンロードが可能

商品を購入する際は、少しでも安ければ嬉しいというのが消費者の本音です。トップには主力商品のバターのクーポンが表示されますが、ページを開くとその他各種商品のクーポンもダウンロード可能です(使用時には印刷が必要)。これらのクーポンは最寄りのスーパーマーケット(特に店名の指定はありません)で使用可能となっており、いつものお買い物ついでに使うことが出来るので大変便利だと思いました。

消費者に安全安心を印象付けた上で、自社商品を使ったレシピを紹介、最終的には商品購入時に使えるクーポンをダウンロード出来る。消費者の心をがっちり掴む流れがしっかり構成されており、販売促進に絶大な効果がありそうです。

5. ゲームに挑戦して豪華景品を当てよう！

5-1.情報入力

ゲーム参加ページを開くと「住所」「電話番号」などの個人情報の入力から始まります。加えて、「バーコード」など商品の情報も入力します。

5-2.ゲーム開始

内容は自分好みのお食事レシピを選ぶという選択問題で非常に簡単です。面白いのはゲーム終了後、好みを分析した「あなたはこんな人」という診断結果を教えてくれることです。思わず友人知人にも知らせ、彼らも分析したくなりました。ただしゲームに挑戦するためにはまた商品を購入しなければいけません。まさかゲーム自体にも販売促進要素が取り込まれているとは驚きです。

5-3.結果発表

その場で豪華ブランチボックス、クーポン券当選有無がわかります。ニューヨーク旅行の当選有無は対象期間終了後の抽選なので、今はわかりません。

5-4.ゲーム後も消費者とのコミニュケーションを図り更なる販売促進を狙う

ゲーム翌日に、paysan bretonから2件のメールが届きました。1件目は、「ゲームの診断結果から、あなたぴったりのレシピのご紹介(paysan breton製品使用レシピ)！」でした。2件目は、「ゲーム参加の御礼」と「商品購入時に使用可能なクーポン券」でした。このようにゲーム後のフォローを兼ねたメールは企業に対して好印象を抱きますし、何よりクーポン券は商品購入意欲を刺激されます。

6. SNSを利用してキャンペーン実施を広く知らせる

6-1.インスタグラムにてキャンペーン内容の告知・フォロー

オフィシャルアカウント上で、キャンペーンを告知する投稿がありました。コメント欄では、「1人につき何度まで応募可能か？」という消費者からの質問に「3回までです。」とpaysan bretonからの返信がありました。私もまさに同じ疑問を抱いたところだったので、インスタグラム上で知ることが出来て助かりました。もしかすると、ウェブサイト上には、応募回数を含む参加方法について詳しく記載されているのかもしれませんが、私は発見出来ませんでしたし、前述の質問者も同じなのだと思います。こんな時に、気軽に問い合わせができ、企業から早いレスポンスを受けられるのはSNSの利点と感じます。paysan bretonも消費者から寄せられるコメントに対し「みんな当選目指してがんばってね」という内容の返信を積極的に行い、コミニュケーションを図っていました。

6-2.ハッシュタグやタグ付けを利用して、消費者と企業が互いにアピールし合う

「4-2」の項目でウェブサイトでのレシピ紹介について書きましたが、インスタグラムでは、消費者が自身のアカウント上に、paysan breton製品を使用したオリジナルレシピを投稿し、paysan bretonのタグ付けを行なっていました。

このレシピは「素晴らしいアイディアをありがとう」というお礼の言葉と共に、paysan bretonのオフィシャルアカウントで紹介されました。またpaysan bretonがこの消費者をタグ付けで紹介したことにより、双方のアカウントより投稿を参照できますし、アカウントが気に入った方はフォロワーになると思います。これらはインスタグラムの機能を最大限に活かしたアピール方法であり、消費者(インスタグラマー)、企業の双方にメリットがあるように思われます。

paysan bretonが積極的に投稿を閲覧し、コメント返し等を行なっている様子から、SNSは消費者と企業を繋ぐ重要な役割を持つものであると改めて感じました。

こちらのキャンペーンは、一商品購入につき、一度の参加資格です。シールを集めて応募用紙に貼って…と収集をしたり、店舗営業時間内に応募用紙を投函するような手間は一切ありません。インターネットを開けば24時間いつでも簡単に参加できることは大きなメリットだと思います。またゲーム内容が興味深いので、再度挑戦したくなりました。ニューヨーク旅行の他にもブランチボックスは内容が充実していて魅力的です。クーポンを使って購入したら、またゲームに参加できるわけですから、繰り返し購入してリピーターになり、キャンペーン期間が終わる頃にはすっかりpaysan bretonのファンになっている気がします。

このようにライフエスコートでは、日本にとどまらず世界で実施されているキャンペーンの実態を調査し、オムニチャネルキャンペーンを検討されている企業様へ最新の情報をメールマガジンにてお届けしております。

また、実際にキャンペーンを行うにあたって、どのチャネルでどのようにお客様と接点をもつべきなのか、さらにどのようなキャンペーンがお客様の気持ちをワクワクさせるのかなど、弊社では多くの事例をもとに御社に最適なご提案をさせて頂きます。

是非、オムニチャネルキャンペーンをご検討の企業様は、ライフエスコートへお気軽にご相談ください。