スマホと一眼レフの差って何? プロが教える使用シーン毎の使い分け【LE通信102号】

皆さんスマホはお持ちでしょうか?

最近のスマホはとても手軽に綺麗に写真や動画が撮影できます。このような時代に一眼レフやデジタルビデオカメラを使用する意味はあるのでしょうか?今回は弊社スタジオ在中のプロカメラマン達の視点から様々な違いやシーン毎の使い分け方をお伝えしていきます。

スマホと一眼レフやビデオカメラではどのような違いがあるか?

大きな違いは3つ

暗い場所での撮影
夜間など暗いシーンで撮影した際、画像or映像にギザギザしたノイズが表示されます。一眼レフでもスマホでもノイズは出ますが、特にスマホで撮影するとノイズが増加します。デジタル一眼レフやデジタルビデオカメラ(以降一眼レフやビデオカメラのみで表記)の場合でもノイズは発生しますが大体の場面でスマホで撮影するよりもノイズは少なく高画質になります。とはいえスマホの場合はHDR機能というものがある為、それなりに綺麗な画像を撮影する事ができます。
ズーム機能
一眼レフはレンズが交換できます。スマホと違いデジタル処理ではなく光学的(望遠鏡のイメージ)にズームが出来ます。その為、遠景をクリアに撮影することが出来ます。スマホの場合どうしてもレンズを小さくする必要があるためレンズにそれ程の機能を持たせる事ができません。どうしてもデジタル処理に頼るため、現状では遠景を撮影すると画像が荒れてしまいます。
CCD(cmos)の大きさ
CCDとは昔のカメラで言うところのフィルムに当たります。ノイズの発生率や画像処理した際の劣化具合、色の豊かさなどはこのCCDの大きさが決め手となります。例えばAPSCサイズと呼ばれる一眼レフに対してiphone xsなどは7%程度の面積比率となってます。フルサイズと呼ばれる一眼レフなどと比べると更に小さいです。CCDの大きさによる詳細な違いは省きますが、要するにCCD=キャンバスと考えていただければ、当然キャンバスが小さい方はあまり色数も乗せられないし絵も大きく描けず白や黒を入れる余白も少ない状態という事です。以上の3つの要素を単純に表すと以下のような違いになります。 一眼レフとスマホの違い ※あくまで極端なイメージです。

その他にも…違いは結構有り

価格
例えばiphone xsの最上位機種であれば15万円弱、一眼レフは最安部類のNIKON D3500レンズキットで4万円程度です。もちろん一眼レフなどの専用機材は何百、何千万円する機種もあります。
画素数
iphone xsで1200万画素 NIKON D3500で2400万画素です。例えばimacの最大解像度は1450万画素位なので表示させるだけであればiphoneの画像で十分だといえます。
ピントとズーム
動作の早い被写体などを撮影する際には一眼レフの方がピント合わせが早く撮影し易いです。また動画撮影中にズームやピント動かすことは多々ありますが、スマホではスムーズに行うことは現状では難しいです。
周辺機器
スマホ、特にiphoneは様々な撮影用周辺機器が発売されておりカメラの機能自体をUPするようなモノも存在します。対して一眼レフなどはスタジオで使用するようなストロボや大型の三脚など、撮影をなるべくスムーズに進めるための専用品が主な周辺機器となります。
記録方式
一眼レフやビデオカメラはJPEG以外で無圧縮で撮影する方式があり、画像&映像処理をしても画質が悪くなりづらい=画像処理耐性が高い画像が撮影できる、といった特徴があります。スマホの場合、基本的に撮影した画像はJPEGで圧縮状態になります。これはパッと見綺麗ですが画像処理耐性が低い状態の画像と言えるでしょう。プロの場合は撮影後の画像処理を見越してカメラ内画像処理がされてないニュートラルな画像を撮影しますので、この記録方式の差は割と大きな違いになります。ちなみにスマホでも一応無圧縮撮影はアプリで出来るのですが、データ量が重くなり後々画像処理が必要になるなど折角の汎用性は低下してしまう上、一眼レフ程の画質にならない為現状ではお勧めできません。
耐久性
落下などに対する耐衝撃性や暑さや寒さなどに対しての耐性などは素の状態であれば一眼レフに分があります。ただし、周辺機器でスマホもかなり耐久性をUPさせる事が出来ます。他にも最近海外でも有名になってきた「ボケ」の違いなど差を上げるとキリがないのですが、実際はこれ程の違いがある中でスマホの撮影に向いているシーンや使い方はあるのでしょうか?

スマホに向いているシーンは?

明るい環境で対象があまり動かないシーンが得意

明るい環境であれば最近のスマホのCCDと画像処理の能力は素晴らしく、一眼レフと画質の差は少なくなっています。ある程度明るさのある風景や記録用の画像などを撮影するには非常にお勧めです。

また最近では皆さん普段からスマホを使用して撮影したりされたりとスマホ環境に慣れている事が多く、人物撮影時にお互いあまり緊張しないで撮影できる特性があります。商品撮影をする際も、色など厳密では無く、とりあえずスマホやWEBで形状を見せたい程度であれば、良い選択肢になるかと思います。

店内やスペースの少ない場所での取り回しが良い

スマホの一番良い点としてとにかく軽く小さい点が挙げられます。例えば撮影可能なショップの中で大きいカメラを持ち出すよりも、スマホでサクサク撮影した方が良い場面は多々あるかと思います。

カフェなどでもちょっとした写真はスマホで雰囲気を壊さず撮影したほうが良い筈です。

抑えるべきポイント

画像をどのように使用するかで使用する機器を決定する

それ程大きくない表示先の場合
色々と違いを述べてきましたが、そもそもスマホ~A4タブレット迄なら余程拡大したりしない限り違いは感じ取れません。何故ならスマホやタブレットの画面の解像度には限りがあるからです。その為、SNSなどスマホで見るような画面に画像を掲載する場合、スマホで撮影できるシチュエーションであればなるべくスマホで撮影してしまった方が掲載までの時間を含めて効率が良い事もあります。例えばB5程度のメニュー用の撮影なんかもスマホで十分な場合が多いです。オークション用の撮影で小さい間取りで撮影しなければならない場合もスマホが向いていると言えます。簡単なインタビューや風景、インサート用の簡単な素材撮りなどもスマホで十分な場合が多いです。無理をして大きく重い一眼レフやビデオカメラを使用する必要はありません。
写真展などの印刷や大型表示させる場合
あまり無いかもしれないシチュエーションですが、A4より大きい印刷を行う、大型ビジョンに投影する、美術品などかなり正確な色を発色させる必要がある場合や緻密な画像処理が必要な場合、一眼レフを使用する方が良いでしょう。また今ではソフトの進化でスマホでもある程度撮影できてしまいますが、プロモーション用や映画のような撮影に関しても現状では専用のビデオカメラを使用した方が遥かに良い結果が得られます。

まとめ

日々進化するスマホや一眼レフですが、今後スマホだけで事足りる時代が来るかもしれません。既に高いカメラを使用すれば良いといった時代は終わり、画像を使用する媒体毎に機材を使い分け各々備わっている機能や操作性を駆使して適時対応しながら撮影する技術が大事な時代になりました。

何よりも重要なことはどのような画像が「気持ち良い」かを周囲の人達と共有することです。

例えば広告用の撮影ではクライアントを含む制作チームと「流行り」や「流れ」を共有しどのような仕上がりにしていくか、どんな要素が必要か具体的に導き出すことがより必要となっています。SNSなどでは自分をどのようにプロデュースしたいか個人個人が最後まで「自分」を通して絵作りを行ことが重要です。

弊社では撮影技術提供のだけではなく、ニーズに合わせた機材提案や撮影フローの最適化なども行っております。ご興味を持たれました際は、ぜひお気軽にご相談ください。

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