生鮮食品を取り扱っている通販店舗様必見!目指せ!五感に訴える商品アピールとユーザーに優しいサイト作り

ビジネスをやるうえで何をする時も他社の事例研究は重要です。

ECコンサルサービスを行っているライフエスコートでも当然のことながら、今どんな通販が流行っているのか、どんな商品の魅せ方がいいのか、どんな購入フローがストレスレスなのか等、様々な業界の様々な通販を見て、実際に商品購入し、調査研究しています。そして、その研究レポートをクライアント様や弊社ホームページにて発信しています。

本日は、生鮮食品の魅せ方(商品ページ)をメインにした研究レポートをご紹介していきたいと思います。

皆さんは、通販で生鮮食品を買ったことはありますか?大切な方へのちょっといい贈り物だったり、「自分へのごほうび」と称しておいしいものをお取り寄せしたり、近所のスーパーで日々の食料品を買うのとはまた一味違う楽しさがあります。また、日用の生鮮食品についても、最近ではアマゾンが一部地域において最短4時間でお届けできる通販に乗り出しました。これまで直接店舗に赴いて購入していた生鮮食品は、生産、流通、食品の鮮度を保つ技術、配達に至るまでの様々な企業努力により、ネットで簡単に買うことができるようなりました。

一方で、生鮮食品はその特性上、自分で商品を手に取って目で確かめ、鮮度や色つや、香りなどなどを直接確かめたいという消費者も多く、実際に通販で生鮮食品を購入した経験のあるユーザーはまだ2割程度にとどまっていると言われています。<参照:新日本スーパーマーケット協会「消費者調査2015」>

それでは、今後拡大が予想される生鮮食品の通販を成功させるための食品商品ページ作りを、実際に見ていきましょう。どんな魅せ方をすれば商品を実際に手に取っているかのように見えるのか?どんな風に伝えれば安心して買ってもらえるのか?そのためには、どんな商品ページを作りこむ必要があるのか?事例を詳しく見ていくために、今回は生鮮食品の中でも、夏の果物の王様「すいか」に絞ってレポートしていきます!

1. ただ食べてもらうだけじゃない「商品の持ち味を存分にアピール!」

機能性商品と同じく生鮮食品も、沢山の商品情報をリサーチし比較しながら、自分の好みや予算に合うものを見つけ出すという通販でのアプローチは変わりません。

今回、筆者がすいかを通販で買おうと思ったのは、

・せっかくなら普段食べることのできないブランドすいかを一度食べてみたい。
・近所で買うと持って帰るのが暑いし重い。
・通販すいかを受け取る自分を想像して。(あんなに重い生の食べ物を、どうやって送るの?)

などの理由からでしたが、元より筆者がすいかの何たるかを知り尽くしているわけもなく、「どこのがおいしいの?」「隠れた名産みたいなものがあるの?」などと考えながら、さっそく「すいか 通販」というキーワードで検索を試みました。

筆者の他にも、通販ですいかを探している人がこんなにも大勢…と思い知らされるような情報の数々。ここは「一見地味に見える店が実はおいしい」という食におけるあまり根拠のない確信のもと、誰もが買っていそうな大手モールでの店舗はあえて避け、いくつかのすいか取り扱い店舗をピックアップしました。(私がピックアップした店舗は最後にご紹介しています。)筆者は、「普段食べているのとは違う特別なすいか」ということを自慢しながら一家団らんで食べたかったので、すいか知識が充実しているサイトには特に目が留まりました。

調べていくと、各店とも同じ「すいか」という商品を扱いながら、ただでは食べさせてくれない勢い(もちろん買うのですが)で、すいか情報が商品ページトップから所狭しと記載されています。

・生産地のこと ~ その土地の昔からの農業や歴史の話を織り交ぜて
・生産者のこと ~ 人となりやご家族のこともほのぼのと紹介
・栽培方法 ~ こだわりの堆肥や畑づくり、風土や気候を利用した栽培技術など
・おいしいすいかの見分け方 ~ ハズレを引かないための必須情報
・すいかの効能 ~ 意外と知られてない?科学的かつ健康志向アプローチ
・すいかレシピ ~ 従来のイメージを覆す意外な味覚発見?
・家庭でのすいかの保存方法 ~ 都会では少人数で食べ切ることが考えられるので
・お客様の声 ~ 購入者のコメントは次なるお客様の呼び水

等々、すいか熱?それともすいか愛?各店舗のすいかへの熱い思いが伝わってきて、単に食べるだけではなく、すいかを食べることそのものが真夏の一大イベントのような気持ちにしてくれます。

ここまでお読み頂いた皆様、ここで一度、あなたの通販サイトの商品ページをチェックしてみてください。

□ その食品の持ち味、個性となる商品情報を余すところなく全てアピールできているでしょうか?
□ 誰もが安心して口に入れることのできる、顔の見えるモノづくりや商品管理が案内できているでしょうか?
□ 買う人を想定したお役立ち情報(保存方法、賞味期限、食べごろの見分け方等)は提供できているでしょうか?
□ 商品の鮮度や食感を具体的に五感でイメージさせる言葉が使われていますか?
文例)「朝採りを当日発送」、「この糖度シャリ感」、「果汁がジュワーッと」
などと言うような、商品の新鮮さや甘さ、食感を連想させる言葉。
□ 従来の食べ方とは違う新発見を提案できているでしょうか?
□ ユーザーコメント等、お客様の声を上手に活用できているでしょうか?
□ 「~賞を受賞!」「~で一番に選ばれました」「~さんも購入(~は有名人)」など、
すでに商品のお墨付きがある場合、そのことがきちんと伝えられているでしょうか?

同じものが近所のスーパーにあったとしても、ユーザーはわざわざリサーチをしてあなたのサイトに訪れるのです。「食べる」だけで終わらない多くの体験(脳内イメージ)を、サイトを見たユーザーに提供できているでしょうか?

2. 見た目の印象って大事「視覚的効果の重要性」

さて、いくら筆者が各店舗の熱い思いをガッチリ受け止めることはできても、全てのすいかを買うことはできません。ここからさらに絞り込んだのは、すいか画像の「見た目」でした。

小さめの三角に切り分けられ美しい器に盛られたお上品なすいか画像もありましたが、そうした画像のいくつかは、すいかの持ち味である赤や緑の色合いが薄く、見た目に涼しげではありますが味も薄そうでした。やはり同じすいか画像でも、真夏の日差し(のような照明?)を受けながら、半月型に切られたすいかの「真っ赤でみずみずしい」画像に強く惹かれました。直感的に「かぶりついてみたい!」と感じたのです。
通販サイトでは商品説明とともに必ず画像が掲載されますが、この画像のクオリティは大変重要です。特に食品は見た目が命。見た目から受ける印象は大きく、それと同時に商品に対する期待感もうなぎ登りに上がっていきます。まれに、画像がインスタントカメラで撮影したようなものだったりすると、「ここで買って大丈夫?」などと思ってしまいます。

ここで今一度、あなたの通販サイトの商品ページをチェックしてみてください。

□ 商品の画像は、ぜひ食べてみたくなるような「おいしそうな画像」でしょうか?
□ 商品がわかればいいやと、適当に撮影した画像が使用されていないでしょうか?
□ 商品画像から五感でイメージが伝わってきていますか?
□ 商品画像は1種類ではなく、色々な角度や切り口、異なるシチュエーションで撮影された画像が掲載されているでしょうか?

画像ひとつで商品の売れ行きが大きく左右します。

3. 「カンタン入力 たったの1分」は本当でした。

筆者が存分にすいかの虜となったところで、丸々太ったおいしいすいかが届くことを祈りながら、「ギフト用」の大玉すいかを1玉購入することにしました。(「ご家庭用」は、味は変わらないとしながらも表面に傷などがあるとのことでしたので、商品案内と齟齬のない商品が届くかどうかを見たかったため「ギフト用」にしました。)

「買い物かごに入れる」ボタンはとても大きな、横6cm×縦2センチくらいの長方形で、「買い物かごに入れる」の下に「カンタン入力 たったの1分」とありました。とても見やすい!

↑大きくてわかりやすい購入ボタン

ボタンをクリックすると、まずはショッピングカートのフォームが現れ、すいかの画像と商品名、個数と税込みの商品金額が表示されました。

↑余計なバナーや告知のないシンプルなカート画面

次の画面に進むとご購入手続きの画面で、「会員登録済みのお客様」「会員登録後に購入」「会員登録せずに購入」の3つが表示され、筆者は「会員登録せずに購入」を選択。そして個人情報の入力フォームが表示されました。順を追って必要事項を入力し、支払方法や配達時間の選択をしていくと、注文確認の画面になり、先ほどのショッピングカートと同様の一覧に支払い方法手数料が加算されたものが表示されました。(送料は無料でした)そして注文完了。ここまで本当に1分ほどしかかかりませんでした。

質問も、お得な情報のお知らせがいるかどうか?だけで、他に気をそらすようなアンケートや告知、会員登録のお勧め等はなく、全くのストレスレスでした。

現在、多くのサイトで、せっかく商品をカートに入れたユーザーが、注文フォームやカート表示でストレスを感じ、買うのをやめて出て行ってしまう「離脱」が発生しています。

あなたのサイト、注文フォームやカートは大丈夫ですか?

□ 注文フォームへの入力項目は最低限に止められているでしょうか?
□ カートや注文フォームの途中で気をそらすようなアンケートや広告バナーを表示していませんか?
□ 商品を追加したりするのに商品ページへ戻り、またカートに戻るなどの動きが可能でしょうか?
□ 早い段階で商品以外にかかる料金(送料、手数料)は表示されているでしょうか?
□ カートから注文確定までの流れがチャートで示されているでしょうか?
□ ユーザーの個人情報を守るSSL対策は万全ですか?

せっかく商品を気に入ってもらえたのですから、注文確定まで脇目を振らせない流れ作りは、コンバージョンUPの必須条件です。シンプルかつ誰にでもわかりやすい流れにしましょう。

7月25日13:21に注文確定、その7分後には注文確認のメールも早々に届き、注文明細とともに、収穫に合わせて配達は8月初旬予定。収穫状況や天候で配達状況が変わる場合もあるとの説明もありました。自然が相手ですから異存はありません。「今この瞬間、私のすいかを育ててくれている。」と思うと、なんだか胸が熱くなります。

ちなみに、こちらのお店は原則、商品発送後の返品交換はできませんが、店舗側の手違いや商品不良がある場合は、返品交換を受けてくれるとのことです。生鮮食品なのに?と思いましたが、道中、すいかに何が起こるかわかりません。驚きながらの納得でした。

4. いよいよお楽しみのすいか到着!でわかったこと

注文から8日後、発送連絡メールが届き、注文明細や荷物の問い合わせ番号(クロネコヤマトでした)、お届け時間(18時~20時に指定していたので)などと一緒に、返品交換についての説明や連絡先(メール、電話番号)も記載されていました。通販で返品交換をする際、わざわざサイトやモールにアクセスし、そこから手続き方法を確認しなくてはいけない店舗もありますが、こちらはメールに記載してくれていて手続きも直接の電話やメールでできるというのは、とても良心的に感じました。それだけ良いすいかを生産し責任をもって発送しているという自信の表れかもしれません。

届いたすいかを見てみると、
段ボール箱に「なまもの 取り扱い注意」と大きく書かれた紙が貼られ、頑丈に紐で縛って梱包されていました。底はガムテープではなく大きいホッチキスで頑丈に留めています。箱を開けてみると周囲を緩衝材にくるまれ、持ち手のついた袋に入ったすいかが現れました。「なんで袋に?」と思いましたが、「箱から引っ張り出すのに持ち手があると便利」ということなのだと思います。特大サイズは約11キロと大変重く、腰に注意しながら恐る恐る引っ張り出したところ、大きなすいかが現れました。


産地や味の特徴についての説明や保存方法が書かれた紙が同梱されており、懇切丁寧さを感じました。すいかもどこにも傷みがなくとても立派!産地を示す丸いシールがまるで金メダルのようです。味ももちろん期待通り、甘くて水分をたっぷり含んだすいかは、筆者の夏の渇きを存分に癒してくれました。
今回は、商品の魅せ方から配達完了まで全くストレスなく、商品も案内通りで筆者の期待を裏切らないものでした。通販での買い物としては大変ラッキーなケースだったと思います。五感に訴え「食べてみたい」と思わせる商品の魅せ方、注文完了までの流れがシンプルでスムーズなこと、目の届くところにトラブル発生時の対応や連絡先の情報を記載すること等々、「ユーザーの視点に立ったサイト作りと、そこで謳っていることをきちんと守ること」こそが、ストレスレスで購入してもらえるサイト作りの鉄則であると強く感じました。

ライフエスコートでは、ユーザー視点に立った通販サイトの、商品案内からカート、購入手続きに至るまでのフロー作りはもちろん、商品をより魅力的に見せる画像・動画の撮影及び制作も行っております。実際、弊社クライアント様のサイトをご利用頂いたユーザー様から「商品の品質も良く迅速に届いた」「信頼のおける店」など、ご満足のお言葉を多数頂いております。ご興味のある方はぜひ、弊社のコンサルティングにお問い合わせください。

  <今回の購入及び参照サイト>

・山形 味の農園 尾花沢スイカ ←スイカ画像が圧倒的迫力でした。筆者はこちらで購入。
http://www.ajfarm.com/fs/ajfarm/c/gr9?gclid=Cj0KCQjw78vLBRCZARIsACr4cxwznQ6EN69h9hRsZJh73IyZxgK9P-dPWxeMzgdg7px02Eb2sDgjva0aAuDfEALw_wc

・新潟直送計画 南魚沼産すいか ←お米だけじゃないんだ!という驚き
https://shop.ng-life.jp/item/fruits/watermelon/

・シニア向け通販・情報サイト あじたび 八色原スイカ ←オトナ目線を意識した高級感
http://ajitabi.jp/

・高知県 武田青果 室戸羽根すいか ←天皇陛下がこちらのお店で何か買われたらしいです
http://takeda-seika.com/

・伊藤家のスイカ 熊本県植木産 ←筆者が購入を迷っているうちに、なんと売り切れ!
http://www.itou-suika.com/syuuhin.html

 

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